高校生のみなさん、そして保護者のみなさま、受験勉強お疲れさまです。
高校3年生やこれから大学受験を迎える高校生が、カフェや自習室で黙々と勉強している姿を見ると、
「今まさに頑張っている時期なんだな」と感じます。
私自身も、同じように英語と向き合っていた時期がありました。
私の教室に通っている高校生たちも、大学受験や英検受検に向けて、日々インプットとアウトプットに取り組んでいます。その中で、多くの生徒がつまずきやすく、同時に得点差が大きくつくポイントがあります。それが長文読解です。
そんな長文読解を攻略するためのおすすめの教材が、肘井学『読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編』です。
・なぜ、この教材が長文読解の攻略に優れているのか?
・家庭学習では、どのように進めていくのか?
・教室では、どのように使っているか?
という点について、お伝えしていきたいと思います。
共通テスト英語は「すべて長文読解」
現在、大学入学共通テストの英語は、
- リーディング:100点
- リスニング:100点
の合計200点ですが、リーディングはすべて長文読解です。
この形式を知って、
「じゃあ、長文をたくさん読めばいいんだ」
と考える生徒も少なくありません。しかし、長文を読む量を増やすだけでは、効率よく点数は伸びません。
では、何が必要なのか。
それが 「読解のための文法」 です。
なぜ文法を「読解用」でやるのか
小学生が英検4級・3級レベルの長文を読む場合、多少文法が不安定でも、語彙力と大まかな和訳力があれば解けてしまうことがあります。
しかし、準2級以上になると話は変わります。
- 英文1文が長くなる
- 修飾語が増える
- 主語と動詞の距離が離れる
この段階では、
SVOC(M)などの文の構造を瞬時に判断できる力がなければ、正確かつスピーディに読むことはできません。
私が高校生の頃は、文法を体系的に学ぶ教材はあっても、長文読解の精度とスピードを高めることに特化した文法書は多くありませんでした。
その点で、
肘井学の 読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編
は、「読解に直結する文法」に焦点を当てた良書だと感じています。
どんな生徒に向けて選んだ教材か
この教材は、特に次のような高校生に向いています。
- 英検2級〜準1級の長文読解で得点を伸ばしたい
- 共通テスト英語で8割以上を目指したい
- 大学二次試験で和訳・英作文を得意にしたい
文法は、言葉のルールです。
ルールを知らずに英語を読み進めるのは、スポーツのルールを知らないまま体だけ動かしているようなものです。
この本は、説明が難解すぎず、比較的スラスラ読み進められます。そのため、短期間で1冊を終わらせやすいのも大きなメリットです。
この教材の基本的な進め方(教室での考え方)
まずは「1周」終わらせる
この本は、最初から辞書のように使う教材ではありません。
まずは通して1周終わらせることを重視します。
受験英語で伸び悩む生徒の多くは、文法知識そのものは持っていても、長文の中で「型」として処理できていません。
たとえば、
- 関係詞
- 分詞構文
- 比較
- 不定詞
- 接続詞
こうした要素が出てきた瞬間に、主語と動詞の対応関係が崩れてしまいます。
ここで必要なのは、「問題集を大量に解くこと」ではなく、
長文で起きやすい崩れ方を前提に、文法の型を身につけることです。
この教材を1周終えることで、
長文を正確かつスピーディに読むための「7割程度の回路」が頭の中にできます。
1周後は「読解用の辞書」として使う
1周終えたあとは、長文読解の演習に入ります。
英検準1級レベルや、共通テストで8割以上を狙う段階になると、長文を読みながら
- よく分からない構造
- あいまいな理解のまま処理している部分
が必ず出てきます。これが残りの**「あいまいな3割」**です。
その部分を、この教材に戻って確認します。
重要なのは、戻る目的が
「理解すること」ではなく、「処理スピードを上げること」である点です。
つまり、
「読めるようになるための復習」として使います。
家庭学習ではどう進めるか
家庭学習では、次の流れを基本にしています。
- まずは1周終わらせる
- 2周目で理解を定着させる
- 長文演習と並行して、必要な単元に戻る
英検2級合格レベルの生徒であれば、1周終えた時点で、2級の長文はかなり読みやすくなっているはずです。
2周目まで進めると、「使える文法」として定着していきます。
教室での実際のレッスンでは、どのように使うか
教室では、この教材を「読むだけ」で終わらせることはありません。
家庭学習で進めてきた内容を前提に、実際の長文の中で使えているかどうかを確認します。
具体的には、英検や大学入試レベルの長文を用い、
- 主語と動詞は正しく対応しているか
- 修飾語はどこにかかっているか
- どの文法項目の知識が必要だったか
を、生徒と一緒に一文ずつ確認します。
このとき、こちらがすぐに答えを示すのではなく、
「どこを見れば判断できるか」を問い返しながら進めます。
読めなかった文があれば、その場で該当単元に戻り、
「なぜその文が読めなかったのか」を言葉にしてもらいます。
正解・不正解よりも、文の構造を自分の言葉で説明できるかを重視します。
このように、
- 家庭では文法を整理する(8割理解)
- 教室では長文の中で使えるかを確認する(残りの2割)
という役割分担をすることで、
文法知識を「読解力」へと変えていきます。
この教材が適さない生徒像
一方で、すべての生徒に万能というわけではありません。
- 中学英文法の基礎が大きく抜けている
- 説明を読んで「分かった気」で止まってしまう
- とにかく問題演習中心で進めたい
こうしたタイプの生徒には、別の教材を優先することもあります。
この本は、使い方が合えば非常に効果的ですが、運用を誤ると伸びにくい教材でもあります。
正直な欠点
説明が分かりやすい分、
「理解したつもり」になりやすい点は注意が必要です。
必ず長文とセットで使い、
「どこで・なぜ読めなかったのか」を確認しながら進めることで、はじめて力になります。
英語力アップには、瞬間文法力が欠かせない
あくまで、肘井学『読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編』は、おすすめ書の中の1冊であり、これだけやれば、英語力が全体的に身に付くわけではありません。
単語帳で必修単語を一つでも多く身につけ、文法書で読解の正確性を身につけ、リーディングの問題集で、英文を読み慣れ、英文を書き、先生に添削してもらい、ネイティブと会話慣れをして、実践力をあげる、といった形で、4技能をを中心にバランスよく伸ばすことが必要です。
ただ、その中で、今回は読解のための文法力に焦点を当てた記事を書きました。
文法は、慣れるまでは論理を覚えるのに大変ですが、一度身につければ、無意識に長文の構造を理解した上で文章を読み、英作の際に悩みなく文章がかけて、英会話の際に、正確にスピーディに話すための土台になります。
特に、これから大学受験や英検の受検を予定されているみなさんは、文法を侮らず、筋トレだと思って、取り組んでみてください。
[無料体験のお申し込みはこちら]


コメント